別注食器の納期はどれくらい?工程別の内訳と待ち時間の使い方
オリジナルの器を作ろうと決めたとき、最初に気になるのは「いつ届くのか」だと思います。オープン日が決まっている、周年イベントに間に合わせたい、新メニューの立ち上げに合わせたい——器の納期は、店の予定表と直結しています。
別注食器の納期は、既製品を買うようにはいきません。土を焼くという工程そのものに、どうしても時間がかかるからです。ただし「なんとなく数ヶ月」ではなく、どの工程に何が必要かを分解すれば、逆算できます。
この記事では、別注食器の納期を工程別に整理し、CAFORAの実際の納期、そして待っているあいだに店側で進めておけることまでをまとめます。
別注食器の納期は「設計→試作→本生産」の3ブロックで考える
工程は細かく分かれていますが、納期を考えるうえでは大きく3つのブロックで捉えると分かりやすくなります。
① 設計ブロック(何を作るか決める) ヒアリング、形状の設計、ロゴやカラーの確定。ここは相手とのやりとりの速度で長さが変わります。店側の判断が止まると、ここだけで数週間動かないこともあります。
② 試作ブロック(形を確かめる) 実際に形にして、手に取って確かめる工程です。従来は型を起こす必要があったため、ここが納期の大きな壁でした。
③ 本生産ブロック(作って焼く) 成形・乾燥・素焼き・施釉・本焼成・検品・梱包。ここは物理現象なので、基本的に短縮できません。土は乾くのに時間がかかり、窯は温度を上げて下げるのに時間がかかります。
納期の相談をするときは、この3ブロックのどこの話をしているのかを確認してください。「納期4週間」と言われたとき、それが②③だけなのか①を含むのかで、実際にカレンダーに引く線が変わります。
焼き物の工程はなぜ縮められないのか
本生産ブロックの中身を、もう少し具体的に見ます。ここを理解しておくと、無理な短縮を求めずに済みます。
- 成形:土を器の形にする工程。ここで急ぐと歪みや厚みのムラが出ます
- 乾燥:焼く前に水分を抜きます。急激に乾かすと割れるため、時間をかけて進めます
- 素焼き:一度低めの温度で焼き、扱える強度を持たせます
- 施釉:釉薬をかけます。厚みや掛け方で仕上がりの表情が変わります
- 本焼成:高温で焼き締めます。窯は昇温と冷却に時間がかかり、途中で開けられません
- 検品:歪み・欠け・釉薬のムラを1客ずつ見ます。業務用では特に重要な工程です
窯を一度動かすには相応の量をまとめる必要があるため、他の生産との兼ね合いで待ちが発生することもあります。繁忙期に納期が延びるのは、主にこの理由です。
CAFORAの納期と、そこを実現している仕組み
CAFORAのラテボウルは、注文確定後およそ4週間でお届けしています(繁忙期は延長する場合があります)。最低ロットは1デザインあたり30個です。
この納期を成立させているのが、3D陶器プリンターによる試作です。従来、別注の器は石膏などで型を起こすところから始まり、そこに費用と時間がかかっていました。だから「試作してから決める」ができず、いきなり本番を作るか、数百個単位でまとめて作るかしかなかった。
3Dプリンターで試作を起こせるようになると、形を早く手元に出して、実際に淹れて飲んで、直せるようになります。試作と試飲のサイクルを回してから本生産に入れるので、「届いてから気づく」を減らせます。最低ロットが下がった背景については 小ロットでオリジナル食器を作る方法 に詳しく書きました。
なお納期の起点は「注文確定後」です。確定前のやりとり(設計ブロック)は含みません。ここが実務では一番読みにくいので、次の章で対策します。
発注前に決めておくと、納期は実際に縮む
待ち時間を短くする最大のポイントは、生産の急かし方ではなく、設計ブロックを止めないことです。相談を始める前に、次を決めておくと話が速く進みます。
- 何のための器か(提供するドリンク・届けたい体験。ここが器の形を決めます)
- 必要数と使い方(客席用か物販用か、予備を何客持つか)
- ロゴデータ(PNG / JPEG / SVG で入稿できます。入稿形式が揃っていないと確認が1往復増えます)
- 色や質感の希望(店の内装・什器のトーンに合わせるなら、写真を用意しておくと早いです)
- 絶対に間に合わせたい日付(逆算して現実的かどうかを最初に判定できます)
そして、待っているあいだにできることもあります。器が届いてから慌てないよう、収納場所・洗浄動線・予備の管理方法を決めておく。開業と同時に立ち上げるなら、他に揃えるべき器の整理も並行できます(カフェ開業で最初に揃えるべき食器リスト)。仕入れ先を複数使い分ける考え方は カフェの食器の仕入れ先はどこがいい? にまとめています。
よくある質問
Q. 別注食器の納期はどれくらい見ておけばいいですか CAFORAのラテボウルは注文確定後およそ4週間です。ただし設計・仕様確定にかかる時間は別にかかるため、余裕をもって逆算してください。
Q. 急ぎで納期を早めてもらえますか 乾燥・焼成の工程は物理的に短縮できません。早められるとすれば設計と確認のやりとりの部分です。日付が決まっているなら、早めに相談するのが唯一の近道です。
Q. 繁忙期はいつですか 窯の稼働と受注状況によります。開業シーズンや年末年始をまたぐ時期は余裕を見てください。日付が決まっている場合は、相談の段階で伝えておくと安全です。
Q. 試作品だけ先に見ることはできますか CAFORAは3D陶器プリンターで試作を起こし、実際に淹れて確かめる進め方をとっています。形や使い勝手を確認してから本生産に進めます。
まとめ
別注食器の納期は、設計・試作・本生産の3ブロックに分けて考えると逆算できます。乾燥や焼成といった本生産の工程は物理的に縮められませんが、設計と確認のやりとりは準備次第で確実に縮みます。
CAFORAのラテボウルは、注文確定後およそ4週間・最低ロット30個/1デザイン。3D陶器プリンターで試作を挟み、形を確かめてから瀬戸・美濃の窯で焼き上げます。日程が決まっているなら、早い段階で CAFORA にご相談ください。逆算してお伝えします。