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食器のこと2026.07.07

カフェの食器の選び方|開業時に揃える種類・数量・予算の基準

カフェの食器の選び方|開業時に揃える種類・数量・予算の基準

カフェの食器は、内装やメニューほど注目されないわりに、開業後にいちばん「やり直しが効かない」買い物になりがちです。数を間違えればピーク時に器が足りず、サイズを間違えれば盛り付けが決まらず、そして一度揃えた器を全部買い替えるのは現実的ではありません。

食器選びで決めることは、突き詰めると3つです。どの種類を/何個/いくらで揃えるか。この3つには決める順番があり、そこを間違えると後から効いてきます。

この記事では、カフェの食器の選び方をこの3点で整理します。15席規模を想定した数量の目安表も載せました。私たちは実際に業務用の器を製造している立場なので、カタログを眺めるだけでは見えない部分も書きます。

カフェの食器選びは「メニューを決めてから」が鉄則

最初に順番の話をします。食器はメニューが固まってから選んでください。

器を先に決めてしまうと、実際に料理やドリンクを盛り付けた段階でサイズが合わないことが起きます。プレートに対して料理が小さく余白が間延びする、ボウルが浅くてスープの量が入らない、カップの容量がレシピと合わない。こうなると、器かメニューのどちらかを妥協することになります。

先に決めておくべきは次の3つです。

  • 看板メニューは何か(ここに使う器が店の顔になります)
  • そのメニューの分量とレシピ(容量とサイズが決まります)
  • 1日の想定提供数とピークの集中度(必要数と洗い場の負荷が決まります)

この3つが決まっていれば、器の選定はかなり機械的に進みます。

カフェの食器|まず揃える8種類

開業時から何十種類も揃える必要はありません。使用頻度が高く、複数メニューで使い回せるものから押さえます。

  1. コーヒーカップ・マグカップ … 最重要。ホット用は200〜300ml前後が汎用的
  2. ソーサー … 提供時の印象が上がる。カジュアル業態なら省略も可
  3. ケーキ皿・デザート皿 … 直径15〜18cm前後がスイーツに使いやすい
  4. ランチプレート … 直径23〜27cm前後。大きすぎると収納を圧迫する
  5. ボウル … スープ・サラダ・グラノーラ・丼まで守備範囲が広い
  6. 小皿・取り皿 … 目立たないが使用頻度は高い
  7. グラス … 250〜350ml前後。水とアイスドリンクで最も回転する
  8. カトラリー … 器と質感を合わせないと全体がちぐはぐになる

このうち店の印象を決めるのは1番です。ドリンクのカップは客席で最も長く滞在し、写真に写る回数も圧倒的に多い。予算をかける優先順位も1番からと考えてよいと思います。カフェラテを主力にするなら、器の選び方は ラテボウルとは|選び方の基準 にまとめています。

器の厚みや重さは、写真では分かりません。開業前にCAFORAの サンプル で実物を確かめておくと、選び直しを減らせます。

数量は席数の2〜3倍|15席カフェの目安表

必要数は席数と同じではありません。営業中は「使用中・洗浄中・予備」の3つが同時に必要になるためです。目安は席数の2〜3倍。使用頻度が高いカップとグラスは多めに寄せます。

15席前後の小規模カフェを想定した目安が次の表です。

食器の種類

15席の目安

補足

コーヒーカップ・マグカップ

40〜45個

使用頻度が最も高い。多めに用意

ソーサー

30〜45枚

ソーサー提供ならカップと同数

ケーキ皿・デザート皿

30枚

スイーツ比率が高い店は45枚程度

ランチプレート

30枚

ランチ提供がある場合は必須

ボウル

20〜30個

スープ・サラダ・丼メニュー用

小皿・取り皿

30枚

付け合わせ・取り皿・ミニデザート

グラス

45個

水とアイスで最も回転する

コーヒースプーン

45本

ホットドリンクの提供数に合わせる

デザートフォーク

30本

ケーキ・焼き菓子用

ランチ用フォーク/スプーン

各30本

パスタ・カレー・ライスメニュー用

ナイフ

20〜30本

ランチ内容に応じて調整

ドリンク中心の店ならカップとグラスを厚く、ランチ営業を重視するならプレートとボウルを厚く。まずこの目安で始めて、売れ筋と回転率を見てから追加するのが無駄が出ません。

もう一つ、器は必ず割れます。年間の破損を織り込まずに発注すると、1年後に「同じ器が揃わない」状態になります。破損率の測り方は カフェの食器の破損率はどれくらい? に整理しました。

予算の考え方|全部に均等配分しない

食器の予算を決めるときにやりがちなのが、全種類に均等にお金をかけることです。これは避けたほうがいい。

理由は単純で、器によって「見られる時間」がまったく違うからです。カップは客席に最後まで残りますが、取り皿は数分で下がります。同じ予算なら、滞在時間が長く写真に写る器に寄せるほうが、店の印象への効きが大きくなります。

席数別の予算目安と、どこから削るべきかは カフェ開業の食器予算はいくら? に詳しく書いています。仕入れ先そのものの選択肢(業務用商社・窯元直販・EC など)は カフェの食器の仕入れ先はどこがいい? を参照してください。

世界観は「色・質感・形」のどれか1つで取る

カフェの食器は店の世界観を伝える要素でもあります。ただし、全部の器を同じシリーズで揃える必要はありません。

色・質感・形のうち、どれか1つを共通にするだけで、素材や産地が違ってもまとまって見えます。逆にこの共通項がないと、1点ずつは良い器でもテーブルの上で喧嘩します。統一感の作り方と、あえて崩すときの考え方は カフェの器で統一感を出す方法 にまとめました。

素材の性格の違い(陶器は温かみ、磁器は丈夫で清潔感)は 陶器と磁器の違い、写真に写ったときの見え方は おしゃれなカフェに見える器選びのポイント が参考になります。

収納とオペレーションから逆算する

最後に、実務側の制約です。ここを見ずに選ぶと、開業3ヶ月で後悔します。

確認すべきは次の点です。

  • 重ねられるか(カウンター下と棚に何客収まるか)
  • 重ねたときに擦れないか(擦れる形は表面に傷が入り、欠けの起点になります)
  • 食洗機・電子レンジに対応しているか
  • 同じものを追加発注できるか(廃番になる器は運用が破綻します)

狭い厨房での収納と動線の作り方は カフェの食器収納 に、欠けを減らす扱い方は 食洗機で欠けにくい業務用食器の選び方 にまとめています。

追加発注できるかどうかは、開業時にいちばん軽視されて、いちばん後で効いてきます。 気に入った器が1年後に廃番だと、割れるたびに店の統一感が崩れていきます。

テイクアウトと店内で器を分けるかどうかは、テイクアウトと店内で器は分けるべきか|使い分けの3つの判断軸 にまとめています。

よくある質問

Q. カフェの食器は何から揃えればいいですか

看板メニューに使う器からです。カフェであればドリンクのカップ。客席に最も長く残り、写真に写る回数も多いので、投資対効果が最も高い場所です。

Q. 15席なら食器は何個必要ですか

種類にもよりますが、席数の2〜3倍が目安です。カップとグラスは40〜45個、プレート類は30枚前後を見ておくと運用が回ります。

Q. 最初からオリジナルの器を作るべきでしょうか

全部をオリジナルにする必要はありません。看板メニューの器だけをオリジナルにして、残りは既製品で揃えるのが現実的です。CAFORAの最小ロットは1デザインあたり30個で、これは15席のカフェのカップ必要数とほぼ重なります。

Q. 業務用と家庭用の食器はどちらを選ぶべきですか

毎日洗浄機にかけて重ねて収納するなら業務用です。強度と追加発注のしやすさが違います。

まとめ

カフェの食器の選び方は、種類・数量・予算の3点に整理できます。そして決める順番は、メニュー → 器の種類 → 数量 → 予算配分です。

数量は席数の2〜3倍。予算は均等配分せず、客席に長く残る器に寄せる。世界観は色・質感・形のどれか1つを共通にする。収納と追加発注の可否を最初に確認する。この4つを押さえておけば、開業後の大きなやり直しはほぼ避けられます。

CAFORAは、届けたい体験から器の形を設計しています。看板メニューの器として、ラテには 温 -ON- と 拡 -KAKU- を用意しています。開業前にサンプル1点で確かめられます。

CAFORA