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食器のこと2026.07.07

オリジナル食器の作り方|小ロット・費用・納期の基準と進め方

オリジナル食器の作り方|小ロット・費用・納期の基準と進め方

オリジナル食器を作りたい、と考えたときに最初に詰まるのは「何から決めればいいのか分からない」という点だと思います。ロゴを入れるだけなのか、形から作るのか。30個なのか100個なのか。見積もりを取っても、比べる基準がないまま数字だけ並ぶことになりがちです。

オリジナル食器の作り方には、大きく3つの方法があります。この3つは費用も納期も自由度もまったく違うので、まずどれに当たるのかを決めるだけで話が一気に進みます。

この記事では、3つの作り方の違い、数量の決め方、費用の内訳、納期の目安を順に整理します。私たちは瀬戸・美濃で実際に食器を製造している立場なので、見積書には出てこないコストの構造も書きます。

オリジナル食器とは|「ロゴを入れる」から「形から作る」まで幅がある

オリジナル食器とは、店やブランドのために独自のデザインを加えた食器の総称です。ロゴ入りのマグカップ、店名入りのプレート、オリジナルカラーのカップ、特注サイズのボウルなどが含まれます。

注意したいのは、この言葉が指す範囲が非常に広いことです。既製品にロゴを1つ入れたものも、形から起こしたものも、どちらも「オリジナル食器」と呼ばれます。費用は数万円から数十万円まで開くので、業者に相談する前に自分がどこを指しているかを決めておくと、見積もりの比較ができるようになります。

作り方は次の3つに整理できます。

作り方

自由度

初期費用

向いている場面

①既製品にロゴを入れる

低

小(版代のみ)

ノベルティ・少量・初めての制作

②既存の形で色や仕様を変える

中

中

カフェの業務用・世界観を出したい

③形から作る

高

大(型代)

ブランド商品・販売用プロダクト

オリジナル食器の作り方①|既製品にロゴを入れる

いちばん始めやすい方法です。すでにある食器にロゴや店名を入れるので、形を設計する工程がなく、費用も納期も抑えられます。

ロゴの入れ方には転写・印刷・彫りなどがあり、それぞれ仕上がりと耐久性が違います。業務用で毎日食洗機にかけるなら、洗浄で薄くならない方式を選ぶ必要があります(カフェの食器にロゴを入れる方法|転写・印刷・彫りの違いと選び方)。

位置とサイズは用途で変えます。店で使う器はロゴが大きすぎると料理やドリンクの邪魔になるので、さりげない方が結果的に長く使えます。逆にノベルティや物販用は、しっかり見せたほうが記憶に残ります。

制約は、形と色を既製品の中から選ぶことになる点です。世界観まで作り込みたい場合は②か③に進むことになります。

釉薬の色や質感がどう焼き上がるかは、画面ではほとんど判断できません。CAFORAの器は サンプル で質感を確かめられます(サンプルはグレーです)。

オリジナル食器の作り方②|既存の形で色や仕様を変える

既存の型を使いながら、色・釉薬・仕上げを変える方法です。形を新規に起こさないので型代がかからず、それでいて既製品とは違う見え方になります。カフェの業務用食器としては、この方法が最も現実的なことが多いです。

ここで想定より費用が動きやすいのが、色の塗り分けです。色を分ける仕様では、撥水加工をしてから釉薬を掛け、焼成で撥水剤を飛ばすという工程を踏みます。工程が増えれば加工の単価はそのぶん上がります。見落としやすいのは、器が小さくなっても工程数は変わらないという点です。小さいから安くなるとは限りません。

もう一つ、色は画面で見た通りには焼き上がりません。陶磁器の色は釉薬と焼成条件で変わるため、データ上の色指定と実物には差が出ます。サンプルは必ず実物で確認してください。できれば実際に出すドリンクや料理をのせた状態で見ると、判断を誤りません。

素材の選び方は 陶器と磁器の違い、産地による性格の違いは 瀬戸焼と美濃焼の違い にまとめています。

オリジナル食器の作り方③|形から作る(型が要る)

形そのものを起こす方法です。自由度は最も高い一方、型が必要になるため初期費用が跳ねます。

ここで誤解されやすいのが、サイズ違いの扱いです。「同じデザインでカプチーノサイズとエスプレッソサイズを」という依頼はよくありますが、形が変われば型は別に必要なので、2サイズ同時なら型は2つです。実際に私たちが検討した案件でも、2サイズ同時では採算が合わず、片方を先行させる判断をしました。

さらに、陶器は焼くと縮みます。そのため元のサイズを単純に等倍で縮小しても、狙った容量や口径にはなりません。サイズ違いを1つ増やすというのは、実務上は設計をやり直すのに近い作業になります。

初回から③を選ぶ必要はありません。②で反応を見てから③に進むほうが、失敗したときの傷が浅く済みます。

数量の決め方|席数から逆算する

オリジナル食器は1個から作れるものではなく、最低ロットが設定されています。CAFORAの場合は1デザインあたり30個からです。

店で使う場合、必要数は席数そのものではありません。営業中に使っているもの、洗浄中のもの、予備の3つが同時に必要になるからです。目安として、15席のカフェでマグカップを使うなら40〜45個程度を見ておくと運用が回ります。席数ぴったりで発注すると、ピーク時に器が足りなくなります。

さらに、営業していれば器は必ず割れます。年間の破損分を織り込んでおかないと、1年後に「同じ器が揃わない」状態になります(カフェの食器の破損率はどれくらい?)。

小ロットで作る場合の考え方は 小ロットでオリジナル食器を作る方法|最低ロット30個の現実 に詳しく書いています。

費用は本体価格だけで判断しない

見積もりを比べるときは、1個あたりの単価ではなく総額と、2回目以降の単価を見てください。オリジナル食器では本体価格以外に次のような費用が乗ります。

  • デザイン調整費
  • 版代(ロゴを入れる場合)
  • 型代(形から作る場合)
  • サンプル制作費
  • 加工費(色の塗り分け・特殊仕上げ)
  • 梱包費・送料

初回は版代や型代が乗るため割高に見えますが、追加発注ではこれらがかからないケースが多い。長く使う前提なら、初回費用と追加発注時の単価を分けて確認しておくと判断を誤りません。

納期の目安と、逆算の仕方

オリジナル食器は発注してすぐ届くものではありません。デザイン確認、サンプル制作、本制作、焼成、検品、配送という工程を踏みます。

CAFORAの場合、注文確定後およそ4週間が目安です(繁忙期は延長することがあります)。ここで注意したいのは、「注文確定後」の4週間だという点です。デザインのやりとりとサンプル確認の期間は含まれていません。開業日やイベント日が決まっているなら、そこから逆算して数ヶ月前に相談を始めるのが安全です。

工程ごとの内訳と、待ち時間に何を進めておくべきかは 別注食器の納期はどれくらい? にまとめました。

CAFORAでのオリジナル食器づくり

私たちは3D陶器プリンターで試作し、実際に淹れて試飲会でバリスタからフィードバックをもらい、また作り直すというサイクルを回して形を決めています。型を起こしてからでは試作1回のコストが重く、この回数は踏めません。ここが、形から作る場合のハードルを下げている部分です。

焼成は瀬戸・美濃の産地で行い、強化土を使うことでチップしにくく、業務用の食洗機・電子レンジに対応させています。毎日使われる器なので、見た目より先にここを満たす必要があります。

  • 最小ロット:1デザインあたり30個
  • 納期:注文確定後およそ4週間
  • ロゴ入稿形式:PNG / JPEG / SVG
  • ベース価格:温 -ON- ¥1,980〜/拡 -KAKU- ¥2,420〜(税込。カスタム内容により変動)

作り方と技法を詳しく知る

この記事で触れた進め方や技法は、それぞれ個別の記事で詳しく書いています。

よくある質問

Q. オリジナル食器は何個から作れますか

CAFORAは1デザインあたり30個からです。業者によって30個から100個以上までばらつきがあるので、最低ロットは最初に確認しておくと比較しやすくなります。

Q. まず何から作るのがおすすめですか

使用頻度が高く、お客様の目に触れる器からです。カフェであればラテやコーヒーを出すカップ。写真に写る回数が多く、店の印象に直結します。最初から全部を揃えようとすると費用も納期も膨らみます。

Q. ロゴのデータは何で入稿すればいいですか

PNG / JPEG / SVG に対応しています。輪郭のシャープさが必要な場合はSVGなどのベクターデータをおすすめします。

Q. サンプルは作ってもらえますか

制作前のサンプル確認は強くおすすめします。色味・重さ・サイズ感は写真では判断できません。違和感があれば本制作の前に調整できます。

まとめ

オリジナル食器の作り方は、①既製品にロゴを入れる/②既存の形で色や仕様を変える/③形から作るの3つに整理できます。費用と納期はこの選択でほぼ決まるので、まずどれを指しているかを決めるのが先です。

数量は席数ではなく「使用中+洗浄中+予備」で逆算する。費用は総額と追加発注時の単価で比べる。納期は注文確定後から数えない。この3つを押さえておけば、大きな失敗はほぼ避けられます。

器の統一感の作り方は カフェの器で統一感を出す方法、仕入れ先そのものの選び方は カフェの食器の仕入れ先はどこがいい? も参考にしてください。

CAFORAは、届けたい体験から器の形を設計しています。オリジナルの器を検討するときは、温 -ON-・拡 -KAKU- のサンプル1点から始められます。ロゴ入りの本購入は30個からです。

CAFORA