カフェ開業の食器予算はいくら?席数別の目安と優先順位の決め方
カフェ開業の費用を積み上げていくと、エスプレッソマシン、グラインダー、内装、家賃と、大きな数字ばかりが先に埋まっていきます。そして最後まで宙に浮いたまま残るのが、食器の予算です。
「食器っていくら見ておけばいいんだろう」。この問いに一般的な答えがないのは、必要な点数が席数と回転数で変わり、単価が既製品か別注かで何倍も動くからです。裏を返せば、この2つを順番に決めれば、自分の店の食器予算は自分で出せます。
この記事では、席数から必要点数を割り出す方法、予備をどれだけ持つか、そして限られた開業費用のなかで器のどこにお金を集中させるかを整理します。理想の一杯を届けたいバリスタが、器の予算を数字として持てるようになることがゴールです。
カフェ開業の食器予算は「点数 × 単価」でしか決まらない
食器予算に相場を求めても答えは出ません。決まるのは次の式だけです。
食器予算 = 必要点数(席数 × 回転 × 予備)× 単価(既製品か別注か)
多くの人がつまずくのは、この2つの変数を同時に考えようとするからです。「安い器を探しながら必要点数も決める」と、判断が絡まって前に進まなくなります。
順番は決まっています。先に点数、あとから単価です。点数は席数から機械的に出せるので、まずここを確定させてしまう。そのうえで、どの器にいくらかけるかを配分する。この順で進めれば、開業費用の全体像を崩さずに器を決められます。
席数別に必要な点数を出す
必要点数の考え方はシンプルです。同時に席が埋まったときに足りることが最低条件で、そこに洗い場に下がっている分と、割れたときの予備を足します。
ドリンク用のカップ・ボウルであれば、席数の2〜2.5倍が実務的な出発点です。1回転目が使用中、2回転目が洗浄・乾燥中、という状態が同時に成立するためには、席数ぶんだけでは回りません。
席数 | ドリンク器の目安 | 皿類の目安 | 考え方 |
|---|---|---|---|
8席(小規模) | 16〜20点 | 10〜16点 | フード比率が低ければ皿は絞れる |
15席(標準) | 30〜38点 | 20〜30点 | ピークで洗い場が追いつくかが基準 |
25席(やや大) | 50〜63点 | 35〜50点 | 洗浄能力とセットで考える |
回転が速い店ほど倍率は上がります。逆に、滞在時間が長いスロー系の店なら2倍で足ります。自分の店がどちらかは、想定するメニューと客層で判断してください。
何をどれだけ揃えるかの品目そのものは、カフェ開業で最初に揃えるべき食器リスト に整理しています。この記事の点数計算と合わせて使うと、買い物リストがそのまま出来上がります。
予備は「別枠」で持つ
見落とされがちなのが予備です。営業を始めれば器は必ず割れます。開業時に必要点数ぎりぎりで揃えると、最初の1枚が欠けた瞬間にオペレーションが苦しくなります。
必要点数の1〜2割を予備として上乗せしておくのが安全です。特に別注の器は、あとから1個だけ買い足すということができません。ここは開業費用のなかで削ってはいけない部分です。
どこにお金を集中させるか
食器の予算配分で最も大事なのは、全部に均等にかけないと決めることです。
店の器は、役割が2つに分かれます。ひとつは「店を語る器」。主力ドリンクを載せる、客が写真に撮る、記憶に残る器です。もうひとつは「機能する器」。取り皿、カトラリー受け、サイドの小皿など、目立たないが必要なものです。
開業費用が限られているなら、店を語る器1〜2種類に予算を寄せ、残りは効率で選ぶ。これが最も費用対効果の高い配分です。全点数をそこそこの単価で揃えると、総額は同じでも印象に残る器が1つもない店になります。
仕入れ先ごとの向き・不向きは カフェの食器の仕入れ先はどこがいい?5種類を比較して選ぶ で比較しています。役割で仕入れ先を使い分けるという考え方は、この予算配分とそのまま対応します。
オリジナルの器は開業費用にいくら乗るのか
「店の顔になる器はオリジナルにしたい。でも開業時にそれは無理だろう」。そう考えて既製品に流れる方は多いのですが、金額を出してみると判断が変わることがあります。
CAFORAのラテボウルの場合、ベース価格は「温 -ON-」が¥1,980〜、「拡 -KAKU-」が¥2,420〜(いずれも税込)。ロゴや形状のカスタムを含めると、1個あたりおおよそ¥3,000前後になります。最小ロットは30個/1デザインなので、店の顔になるラテボウル一式で約9万円という計算です。
エスプレッソマシンや内装の桁と並べたとき、この9万円をどう見るか。ここが判断の分かれ目になります。毎日客の手に渡り、写真に撮られ、店の記憶をつくる器に対する投資として、開業費用のなかでは決して大きな比率ではありません。
かつて別注食器が高かったのは、石膏型の製作費が数十万円単位でかかり、数百個つくらなければ1個あたりが下がらなかったからです。CAFORAは3D陶器プリンターで試作から形状検証までを回すことで、この型のコスト構造そのものを崩しています。だから30個からが成立します。
納期は注文確定後およそ4週間(繁忙期は延長あり)。開業日から逆算するなら、内装工事と並行して1.5〜2か月前には発注しておくと安全です。ロゴの入稿形式は PNG / JPEG / SVG に対応しています。
別注そのものの検討ポイントは オリジナル食器を作る前に知っておきたいこと にまとめました。発注前に一度目を通しておくと、やり直しを防げます。
削っていいもの・削ってはいけないもの
開業費用が想定を超えたとき、食器はまっさきに削られる項目です。削る順番を間違えなければ問題ありません。
削っていいもの
- 点数の多いサブの皿類(あとから買い足せる)
- 種類の数(メニューを絞れば器の種類も減る)
- 見えない場所で使う器のグレード
削ってはいけないもの
- 予備の在庫(割れた瞬間に営業が止まる)
- 主力ドリンクの器の質(毎日客の手に触れる)
- 耐久性(安い器を1年で総取り替えするほうが高くつく)
特に耐久性は、開業費用としては安く見えて運営費用として跳ね返る典型です。業務用の連続使用と食洗機に耐えるかどうかは、単価より総額を左右します。CAFORAの器は強化土を使い、チップしにくく、食洗機・電子レンジに対応しています。
よくある質問
Q. カフェ開業の費用のうち、食器は何割くらいが妥当ですか 比率で決めるものではありません。席数から必要点数を出し、主力の器にいくらかけるかを決めた結果として金額が出ます。比率から入ると、必要点数が足りない状態で開業することになります。
Q. 開業時に器を全部揃えないといけませんか いいえ。まずは提供するメニューに必要な最小構成で始め、メニューを増やすタイミングで器も足すほうが、費用も在庫リスクも抑えられます。
Q. オリジナルの器は開業後からでも間に合いますか 間に合います。むしろ開業後、実際のオペレーションと客層が見えてから発注したほうが、サイズや形状の判断精度は上がります。開業時は既製品で回し、店の形が定まってから顔になる器をつくる、という順番も有効です。
Q. 中古の業務用食器はどうですか コストは下がりますが、すでに使用による摩耗が進んでいるため、欠けや割れが早く出ます。買い替え周期まで含めて計算すると割高になることがあります。
まとめ
カフェ開業の食器予算は、相場ではなく「必要点数 × 単価」で自分で出すものです。点数は席数の2〜2.5倍を起点に、予備を1〜2割上乗せする。単価は全点数に均等にかけず、店を語る器1〜2種類に寄せる。この2ステップで、限られた開業費用のなかでも器が印象に残る店になります。
そして削るときは、点数と種類から削る。予備と耐久性からは削らない。この順番さえ守れば、食器が原因で開業後に苦しむことはほとんどありません。
店の顔になるラテボウルを30個から自分の仕様でつくりたい方は、CAFORA にご相談ください。