招き猫の右手と左手の意味|手の高さ・色の意味と店での置き方

開店祝いに招き猫をもらった、あるいは自分の店に置こうと考えている。そこで必ず出てくるのが「右手と左手、どちらを上げている猫がいいのか」という疑問です。
先に要点を書きます。一般的には、右手を上げた招き猫は「お金」を、左手を上げた招き猫は「人・お客」を招くとされています。手の高さや色にも、それぞれ意味が伝えられています。ただし置き方については、特に決まりはないというのが招き猫の愛好団体の説明です。
この記事では、瀬戸市の招き猫ミュージアムと、1993年設立の愛好家組織・日本招猫倶楽部の説明を中心に、招き猫の右手・左手の意味を整理します。言い伝えには資料によって違いがあるので、どこに何が書かれているかもあわせて示します。
招き猫の右手と左手の意味
日本招猫倶楽部は、右手と左手の違いをこう説明しています。
一般的に右手を挙げた招き猫は「お金」を、左手を挙げた招き猫は「人やお客」を招くと言われています
瀬戸市の招き猫ミュージアムも、同じ内容をもう少し言葉を足して書いています。
右手を挙げた猫は「かね」、つまり金運を招き、左手を挙げた猫は「ひと」、つまりお客さまを招く
まとめると、こうなります。
上げている手 | 招くとされるもの |
|---|---|
右手 | お金・金運 |
左手 | 人・お客 |
両手 | お金も人も(ただし敬遠する向きもある) |
どちらの手かは、猫の側から見て判断します。 正面から向き合ったとき、こちらから見て右側に上がっている手は、猫にとっては左手です。
常滑の招き猫を紹介するとこなめ観光協会の解説も、左足を上げた招き猫は人を招くとされ、千客万来を願う業種に特に人気がある、右足を上げた招き猫は幸運や富をもたらすとしています(出典:常滑系招き猫(観光庁 多言語解説文データベース/一般社団法人とこなめ観光協会))。客商売の店で左手の招き猫が好まれてきたのは、この意味からです。
両手を上げた招き猫と、手の高さの意味
両手を上げた招き猫
招き猫ミュージアムは、両手を上げた猫について次のように書いています。
両手を挙げた猫は「かね」も「ひと」も招いてくれるが「お手上げポーズ」として敬遠する向きもある
欲張りな形とも、降参の形とも受け取れる。どちらに見るかは人によって分かれる、ということです。
手長と手短
手を上げる高さにも意味があります。日本招猫倶楽部の説明はこうです。
挙げた手が猫の耳を越すものを「手長」といい、遠くの福、大きな福を招くとされています
一方、手が耳より低いものは近くの福、身近な幸せを招くとされています。招き猫ミュージアムも同じく、手長は大きな福・遠くの福、手短は小さな福・身近な福を招くとし、叶えたい望みに応じて選ぶのもよいと書いています。
近所の常連さんに支えられている店なら手短、遠方からも人を呼びたい店なら手長。意味から選ぶなら、こういう考え方ができます。
招き猫の色の意味:資料によって少しずつ違う
色にも御利益があるとされていますが、ここは資料によって説明が少しずつ違います。3つの資料を並べます。
色 | 日本招猫倶楽部 | 招き猫ミュージアム | 愛知県の観光公式サイト |
|---|---|---|---|
白 | 開運招福・家内安全 | 開運招福 | 福を招く |
黒 | 厄除開運 | 厄除・家内安全 | 病を防ぐ |
赤 | 健康長寿 | 健康長寿 | 魔除け |
金 | 金運満足 | 金運 | 金運を招く |
ピンク | 恋愛成就 | 恋愛運 | 恋愛成就 |
出典:日本招猫倶楽部、招き猫ミュージアム、Aichi Now(愛知県公式観光サイト)
白・黒・金・ピンクはおおむね同じ方向ですが、赤は「健康長寿」と「魔除け」で説明が分かれています。愛知県の観光公式サイトは、このほか銀を「長寿」、青を「交通安全」としています。招き猫ミュージアムは、白地に茶黒ぶちの三毛を、白と同じくオールマイティな「開運招福」としています。
色の意味は言い伝えであり、決まった正解があるものではありません。招き猫ミュージアムも、左手・右手の意味に加えて時代の変化を反映して「恋愛」「長寿」「宝くじ大当たり」などさまざまな御利益が付与されてきましたと書いています。

写真は、石川県で活動する作家・菊池俊治さんの招き猫「manekineko」の黒です。瀬戸系・常滑系といった伝統的な型ではなく、現代の作家による作品で、白・黒・赤の色と、右手・左手の両方があります。意味から色と手を選べる招き猫です。
招き猫の置き方:決まりはない
置き方について、日本招猫倶楽部ははっきりこう書いています。
特に決まりはありません。庶民信仰の対象であった昔は、少し高い場所に安置してお水などを供えたようです
続けて、身近に置いていつも目に付くようにすると、福を呼び込んでくれるでしょうとしています。方角や向きのルールを気にするより、毎日目に入る場所に置くことが大事だということです。
カフェなら、次のような置き場所が考えられます。
- レジ横|会計のたびにお客さまの目に入り、スタッフも毎日目にする場所です
- 入口から見える棚|外から店内をのぞいたときに目に入ります
- カウンターの端|器と同じ視界に入るので、器との相性が出ます
器と並ぶ場所に置くなら、招き猫の素材や白の色味が、カウンターに並ぶカップと揃っているかも見ておくと、店の印象がまとまります。写真で紹介した manekineko は磁器で、白を含む4色から選べます。招き猫の素材による違いは 招き猫の陶器と磁器の選び方 で詳しく扱っています。
招き猫の産地として知られる瀬戸の焼き物そのものについては 瀬戸焼とは、常滑については 常滑焼とは にまとめています。瀬戸で招き猫を含む置物がどうつくられてきたかは 瀬戸ノベルティとは が参考になります。
よくある質問
Q. 招き猫の右手と左手、どちらがいいですか 右手は「お金」、左手は「人・お客」を招くとされています。とこなめ観光協会の解説は、左足を上げた招き猫は千客万来を願う業種に特に人気があるとしています。集客を願う店なら左手、という選び方ができます。
Q. 右手か左手かは、どちらから見て判断しますか 猫の側から見て判断します。正面から見て右側に上がっている手は、猫にとっての左手です。
Q. 両手を上げた招き猫は縁起が悪いのですか 招き猫ミュージアムは、両手を上げた猫は「かね」も「ひと」も招くとしつつ、「お手上げポーズ」として敬遠する向きもあると書いています。
Q. 手が高い招き猫と低い招き猫の違いは何ですか 耳より高く手を上げたものを「手長」といい、遠くの福・大きな福を招くとされます。耳より低いものは、近くの福・身近な幸せを招くとされています。
Q. 招き猫の置き方に決まりはありますか 日本招猫倶楽部は「特に決まりはありません」としています。昔は少し高い場所に安置してお水などを供えたようです。
Q. 招き猫の日はいつですか 9月29日です。日本招猫倶楽部が1995年に制定しました。
まとめ
招き猫の右手と左手の意味は、右手がお金、左手が人・お客というのが一般的な説明です。手を耳より高く上げた「手長」は遠くの大きな福、低い「手短」は身近な福を招くとされ、両手上げは「お手上げ」として避ける人もいます。
色の意味は資料によって少しずつ違い、特に赤は「健康長寿」と「魔除け」で説明が分かれます。置き方には決まりがなく、いつも目に付く場所に置くのがよいとされています。
手と色の意味をふまえて一体を選ぶなら、菊池俊治さんの manekineko をご覧ください。CAFORAでホワイト・レッド・ブラック・グレーの4色を、1体から取り扱っています。

