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食器のこと2026.10.15

招き猫の処分の仕方|古い招き猫の納め先と、手放す前に見ること

招き猫の処分の仕方|古い招き猫の納め先と、手放す前に見ること

開店のときにいただいた招き猫、先代から店に座っている招き猫。長く置いているうちに色があせたり、小さく欠けたり、店の改装で置き場所がなくなったりすることがあります。そのとき迷うのが、縁起物をどう手放せばいいのかということです。

先に要点を書きます。招き猫の処分の仕方は、大きく寺社に納める、自治体のごみとして出す、手放さずに飾り続けるの3つです。招き猫の処分に決まった作法はありません。招き猫の寺として知られる豪徳寺も、奉納に決まりはないとしています。

この記事では、豪徳寺の公式サイトと住職のインタビュー、自治体のごみ分別の案内をもとに、古い招き猫の納め先と、手放す前に見ておきたいことを整理します。私たちCAFORAは、招き猫の産地でもある瀬戸と、隣の美濃で器を焼いています。

招き猫の処分の仕方は3つ

まず、選べる道を並べます。

処分の仕方

向いているとき

先に確かめること

寺社に納める

願いが叶った、区切りの年を迎えた

その寺社が招き猫を受け付けているか

自治体のごみに出す

割れて飾れなくなった

お住まいの自治体の陶磁器の区分

飾り続ける・譲る

傷みが少ない、思い入れがある

欠けやひびがないか

どれが正しいということはありません。豪徳寺の住職も、後で紹介するとおり「皆さんのお考えで」と話しています。迷ったら、その招き猫がどんな縁で店に来たかを思い出して決めるのが自然です。開店祝いにいただいたものなら、贈ってくれた方の気持ちも含めて手放し方を選びたいところです。

招き猫を寺社に納めるとき:豪徳寺の考え方

招き猫を納める先として名前が挙がることが多いのが、東京・世田谷の豪徳寺です。豪徳寺は、門前の猫が井伊直孝を手招きしたという話を伝え、福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼んで祀っています。由来の話は 招き猫の由来 にまとめました。

豪徳寺の公式サイトは、奉納について次のように書いています。

奉納する決まりは特にありませんが、招福猫児にこめたお願いごとが叶った後に奉納する方が多いようです。

出典:招き猫について|豪徳寺

住職の粕川徹哉さんは、東急のインタビューで、その場ですぐ奉納するのではなく、自宅に持ち帰って飾り、願いが叶ったり年が変わったりしたら納めるという考え方を話しています。あわせて、自宅にずっと飾っていてもかまわないとも話しています(出典:招き猫電車に乗って、幸せな気持ちを分け合って。|東急)。

ここで気をつけたいのは、豪徳寺が説明しているのは豪徳寺の招福猫児の奉納だということです。ほかで買った招き猫やいただいた招き猫を受け付けているかどうかは、公式サイトでは確認できませんでした。

ほかの寺社に納めるなら、受け付けを先に確かめる

人形供養やお守りの返納を受け付けている寺社は各地にあります。ただ、何を受け付けるかは寺社ごとに決まっていて、時期によっても変わります。招き猫の多くは陶器や磁器でできた置物なので、

  • 陶磁器の置物が受付の対象に入っているか
  • 受付の時期(通年か、供養祭の日だけか)
  • 持ち込みか、郵送でもよいか

を、納めたい寺社の公式の案内で確かめてから持っていくのが確実です。受付の条件や納める金額は寺社によって違うので、ここでは書かずに、公式の案内に任せます。

招き猫をごみとして処分するとき:陶磁器の区分は自治体ごと

割れてしまった招き猫や、納め先が見つからない招き猫は、自治体のごみとして出すことになります。

招き猫の多くは陶磁器なので、燃えるごみには入りません。陶磁器をどの区分で出すかは自治体ごとに決まっていて、たとえば広島市は、不燃ごみとして出せる物に陶磁器類を挙げ、例として茶碗、皿、瀬戸物、土鍋を示しています(出典:不燃ごみとはどのようなものですか|広島市)。

これはあくまで一つの市の例です。区分の名前(不燃ごみ・燃えないごみ・埋立ごみなど)、収集日、大きなものの扱いは自治体ごとに異なります。お住まいの自治体の分別表で「陶磁器」や「置物」の項目を確かめてください。店で使っていたものは、事業所から出るごみとして扱いが変わる場合もあるので、店のごみの契約先にも確認しておくと安心です。

ごみに出す前に、区切りとして手を合わせる、いただいた方に一言伝えるといったことをする人もいます。決まりではありませんが、豪徳寺の住職の言葉どおり、自分の気持ちが落ち着くかたちで送り出せばよいということです。

古い招き猫を手放す前に見ること

処分の仕方を決める前に、招き猫そのものを一度よく見てください。器をつくる立場から、見ておきたいところが3つあります。

1. 底の印

陶磁器の置物には、底に窯元や作り手の印、産地の名前が入っていることがあります。古い招き猫なら、どこでつくられたものかの手がかりになります。招き猫の主な産地は瀬戸と常滑で、顔立ちにもそれぞれの特徴があります。見分け方は 招き猫の瀬戸と常滑の違い にまとめました。作り手が分かれば、譲る・飾り続けるという判断もしやすくなります。

2. 欠けとひび

陶磁器の欠けた部分は鋭く、手を切ることがあります。店先に置くもの、お客さまの手が届く場所に置くものは、欠けやひびがあれば下げるのが安全です。器と同じで、ひびは見た目以上に割れやすさにつながります。陶器と磁器で割れ方や吸水性がどう違うかは 陶器と磁器の違い に書いています。

3. 色あせと汚れ

色あせや汚れだけなら、手放さずにすむこともあります。釉薬のかかった艶のある肌は、柔らかい布で拭けば汚れが落ちやすいものです。ただし、絵付けの色は表面に乗っているだけのこともあるので、強くこすらないように気をつけてください。

新しい招き猫を迎えるとき

古い招き猫を納めたあと、新しい招き猫を迎える店も多いでしょう。右手と左手のどちらを上げているか、色の意味、置き方の考え方は 招き猫の右手と左手の意味 にまとめています。陶器と磁器のどちらを選ぶかは 招き猫の陶器と磁器の選び方 が参考になります。

店に長く置くものなので、店の器や内装と並べたときに佇まいが合うかを基準にすると、次の招き猫も長く付き合える一体になります。

よくある質問

Q. 招き猫はどうやって処分すればいいですか 寺社に納める、自治体のごみとして出す、飾り続けるの3つがあります。決まった作法はなく、豪徳寺も奉納に決まりはないとしています。

Q. 招き猫は燃えるごみに出せますか 陶磁器の招き猫は燃えないので、燃えるごみには入りません。陶磁器の区分は自治体ごとに異なるので、お住まいの自治体の分別表を確かめてください。

Q. 豪徳寺に招き猫を納めるのはいつがいいですか 豪徳寺の公式サイトは、決まりはないが、願いが叶った後に奉納する方が多いとしています。住職は、年が変わったら納める、ずっと飾っておくという考え方も話しています。

Q. ほかで買った招き猫を豪徳寺に納めてもいいですか 豪徳寺の公式サイトが説明しているのは、豪徳寺の招福猫児の奉納です。ほかの招き猫の受け付けについては、公式の案内では確認できませんでした。納める前に寺へ確かめてください。

Q. 欠けた招き猫は飾り続けてもいいですか 縁起の上の決まりはありませんが、陶磁器の欠けは鋭く、手を切ることがあります。お客さまの手が届く場所からは下げるのが安全です。

まとめ

招き猫の処分の仕方は、寺社に納める、自治体のごみに出す、飾り続けるの3つです。豪徳寺は奉納に決まりはないとし、住職は自宅に飾り続けてもかまわないと話しています。

寺社に納めるなら受け付けの有無を、ごみに出すなら自治体の陶磁器の区分を、先に公式の案内で確かめてください。手放す前には、底の印と欠けを一度見ておくと、判断がしやすくなります。

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