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食器のこと2026.10.18

オリジナル食器のプリント方法|転写・昇華・刻印の違いと向く用途

オリジナル食器のプリント方法|転写・昇華・刻印の違いと向く用途

自分でデザインした絵や店のロゴを、食器にプリントしたい。「オリジナル食器 プリント」と調べると、1個から作れるオンラインのプリントサービスがたくさん出てきます。ところが、同じ「プリント」でも、器に絵柄を載せる方法は一つではありません。方法が違えば、何個から作れるか、何色使えるか、毎日洗っても絵柄が保つかが変わります。

この記事では、オリジナル食器のプリント方法を昇華転写・焼き付けの転写・下絵付け・刻印の4つに分けて、温度と使い道で比べます。記念品として1個作りたい人と、カフェで毎日使う器を30個作りたい人とで、選ぶ方法がどう変わるかも整理します。

ロゴを店の器に入れる場面に絞った考え方は カフェの食器にロゴを入れる方法 で扱っています。この記事は、その手前の「プリントと呼ばれている方法の全体像」をつかむためのものです。

オリジナル食器のプリント方法は4つ

食器への「プリント」と呼ばれているものは、仕組みで見ると次の4つに分かれます。

  • 昇華転写:表面に専用のコーティングをした器に、熱でインクを移す
  • 焼き付けの転写(上絵転写):絵柄を刷った転写紙を、焼き上がった器に貼って、窯でもう一度焼き付ける
  • 下絵付け:素焼きの器に絵を描き、その上から釉薬をかけて高温で焼く
  • 刻印・彫り:器の形そのものに文字やマークを彫る、または浮き上がらせる

違いを一言でいうと、どの温度で、器のどの層に絵柄を置くかです。昇華転写は器の表面のコーティングに、焼き付けの転写は釉薬の上に、下絵付けは釉薬の下に、刻印は器の形そのものに絵柄が入ります。

温度と使い道で比べるプリント方法の比較表

4つの方法を、発注するときに確かめる項目で並べました。温度は、それぞれの方法の代表的な例です。

比べる項目

昇華転写

焼き付けの転写(上絵転写)

下絵付け

刻印・彫り

絵柄が入る場所

表面のコーティング

釉薬の上

釉薬の下

器の形そのもの

加熱の温度(例)

約180℃で数分の加熱

本焼成のあと、800℃前後でもう一度焼く

1300℃近い本焼きで釉薬と一緒に焼く

器と一緒に焼く(形を変えるだけ)

器の条件

昇華転写に対応したコーティング済みの器が必要

焼き上がった器なら選べる幅が広い

素焼きの段階から作る必要がある

型や成形の段階から作る必要がある

1個から作れるか

作れるサービスが多い

転写紙の版が要るため、まとまった数が前提になりやすい

窯元・工房で作る前提で、数がまとまることが多い

形から作るため、数がまとまることが多い

色数

フルカラーの写真も載せやすい

色ごとに版が要る(CAFORAは単色)

呉須の藍など、高温に耐える色に限られる

色ではなく凹凸で見せる

向く用途

記念品・ギフト・1点もの

店で毎日使うロゴ入りの器

絵付けの器・染付

形からブランドを表す別注

昇華転写の温度と器の条件は、マグカップ用の転写機を扱う販売ページの仕様(到達温度180℃・到達時間180秒・昇華転写対応マグカップを使用)を例にしました(イベント21 マグカップ転写機)。上絵と本焼きの温度は、加賀九谷陶磁器協同組合の解説(本焼きが約1300℃、上絵を焼き付ける錦窯が800℃前後)によります(九谷焼とは)。

表から分かるのは、1個から気軽に作れる方法ほど低い温度で、店で長く使う方法ほど窯で焼いているということです。どちらが優れているかではなく、使い道が違います。

1個から作るなら昇華転写などのオンラインプリント

検索で上位に出てくるオンラインのプリントサービスは、1個から注文でき、写真やイラストをフルカラーで載せられるものが中心です。誕生日や記念日の贈り物、イベントの記念品のように、1点ものを作りたいときには最も手軽な方法です。

手入れの条件は、サービスや商品ごとに違います。たとえば Canva のオリジナルマグは、最低発注数が無く、食洗機・電子レンジ使用可としながら、手洗いをすすめています(Canva オリジナルマグカップ)。一方で、食洗機や研磨剤が使えないと明記している商品もあります。「プリントできる」と「毎日洗浄機に通せる」は別の条件なので、注文前に商品ページの手入れの欄を確かめてください。

店で使うことを考えるなら、確かめたいのは次の3点です。

  • 業務用の食洗機で使えると書いてあるか
  • 電子レンジで温め直してよいか
  • 割れた分を、同じ絵柄で後から足せるか

記念品なら気にしなくてよい項目ですが、店の器では毎日効いてきます。

店で毎日使うなら窯で焼き付ける転写

店のロゴを入れた器を毎日洗って使うなら、絵柄を窯で焼き付ける方法が向いています。CAFORAのロゴ転写も、この焼き付けの転写です。

CAFORAのラテボウルにロゴを入れるときの工程は、次のとおりです。

順番

工程

何をしているか

1

成形・乾燥

石膏型に泥を流して形をつくり、乾かす

2

素焼き

低めの温度で一度焼き、扱える硬さにする

3

施釉・本焼成

釉薬をかけて高温で焼き、器として仕上げる

4

転写紙を貼る

ロゴを刷った転写紙を、焼き上がった器の表面に貼る

5

上絵焼成

780〜800℃でもう一度焼き、ロゴを釉薬の上に焼き付ける

6

検品

ロゴのずれ・かすれ・器の欠けを確かめる

焼き付けたロゴは、表面に載せただけの印刷より洗浄に強くなります。CAFORAのラテボウル(温 -ON-・拡 -KAKU-)は、ロゴ転写ありでも業務用食洗機・電子レンジとも使えます。ただし、ロゴを長くきれいに保つために、転写部分を強くこすらないことをお願いしています。

その代わり、窯で焼く工程が一つ増えるぶん、手間と時間がかかります。CAFORAでは、ロゴ転写は単色での対応で、本購入30個から、仕様確定後おおよそ5〜6週間が目安です。また、焼成の工程を経るため、画面で見た色と焼き上がりの色に差が出る場合があります。

なぜ受注生産の器に最低ロットがあるのかは 小ロットでオリジナル食器を作る方法 で詳しく扱っています。マグカップを業務用の品質で作るときの条件は オリジナルマグカップの作り方 も参考になります。

下絵付けと刻印は、器づくりから一緒に考える方法

残る2つは、器を焼き上げる前の段階から絵柄を入れる方法です。

下絵付けは、素焼きの器に呉須(ごす)などで絵を描き、その上から釉薬をかけて高温で焼きます。絵柄が釉薬のガラス層の下にあるため、表面をこすっても絵そのものは擦れません。一方で、高温に耐える色に限られるため、使える色は上絵より少なくなります。上絵と下絵の違いは 上絵付けと下絵付けの違い で詳しく比べています。

刻印・彫りは、色ではなく凹凸でロゴを表す方法です。器の形の一部になるため落ちることはありませんが、焼くと器が縮むため、細い線は潰れやすくなります。文字数の少ない店名やシンボルマークに向きます。

どちらも、すでに焼き上がった器にあとから入れることはできません。形や釉薬と一緒に設計する別注で選ぶ方法です。形から器を考えるときの進め方は オリジナル食器の作り方 にまとめています。

1個と30個で変わる、プリント方法の選び方

ここまでを、作りたい数と使い道で整理すると次のようになります。

作りたいもの

向く方法

確かめること

贈り物・記念品を1個から

昇華転写などのオンラインプリント

手入れの欄(食洗機・電子レンジ・研磨剤)

店のロゴ入りの器を30個から

窯で焼き付ける転写

色数・入稿データ・納期・再注文の条件

絵付けの器を店の顔にしたい

下絵付け

色の範囲・窯元との相談

器の形でブランドを表したい

刻印・彫り

線の太さ・縮み・型の費用

迷ったら、その器を何年使うかから考えると決めやすくなります。一度使って飾る器なら手軽さを、毎日洗って使う器なら焼き付けを優先します。店の器では、電子レンジや食洗機の表示の読み方も効いてくるので、電子レンジ対応の業務用食器とは もあわせてどうぞ。

温 -ON- 両手で包む、冬のひととき。取っ手のないまるい器。商品をみる

よくある質問

Q. オリジナル食器のプリントは1個から頼めますか 昇華転写などのオンラインプリントでは、1個から注文できるサービスが多くあります。窯で焼き付ける転写は版が要るため、まとまった数が前提になりやすく、CAFORAの本購入は30個からです。

Q. プリントした食器は食洗機で洗えますか 方法と商品によって違います。オンラインプリントでは、食洗機可としながら手洗いをすすめるものや、食洗機不可のものがあります。CAFORAのロゴ転写は焼き付けているため業務用食洗機で使えますが、転写部分は強くこすらないでください。

Q. フルカラーの写真を器に入れられますか 昇華転写はフルカラーの写真を載せやすい方法です。焼き付けの転写は色ごとに版が要り、CAFORAのロゴ転写は現在単色での対応です。多色のロゴは、基本的に1色に変換して転写します。

Q. 入稿するロゴのデータは何がよいですか CAFORAでは EPS・SVG 形式を推奨しています。拡大・縮小しても線が荒れないため、器の側面に収まる大きさに縮めたときの再現性が変わります。

まとめ

オリジナル食器のプリント方法は、昇華転写・焼き付けの転写・下絵付け・刻印の4つ。1個から気軽に作るなら昇華転写などのオンラインプリント、店で毎日使うなら窯で焼き付ける転写、形や絵付けから器を作るなら下絵付けや刻印が選択肢になります。

店で使うロゴ入りの器を検討しているなら、CAFORAの丸く深い 温 -ON- と、口の広い 拡 -KAKU- は、本購入30個から店のロゴを転写して注文できます(サンプルは1点から・ロゴなし)。形からの相談は よくある質問・お問い合わせ からどうぞ。

CAFORA