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食器のこと2026.10.19

食器のOEMを小ロットで頼むには|型代・最低ロット・納期の見方

食器のOEMを小ロットで頼むには|型代・最低ロット・納期の見方

自分の店やブランドの名前で、オリジナルの食器を作りたい。けれど「食器 OEM」と調べると、出てくるのは服や化粧品、食品のOEMの話ばかりで、器の場合に何個から頼めて、型代がいくらかかり、どれくらい待つのかが見えてこない。そんな声をよく聞きます。

食器、とくに陶磁器のOEMは、ほかの製品と比べて型の比重が大きいのが特徴です。型をどうするかで、最低ロットも、初期費用も、納期も大きく変わります。逆に言えば、型の扱い方さえ分かれば、小ロットで頼む道筋はかなり読めるようになります。

この記事では、食器のOEMを小ロットで頼むときの考え方を、頼み方の3つの型に分けて整理します。見積もりを取る前に決めておく項目と、型の持ち主や再注文の条件まで、器をつくる側から説明します。

食器のOEMとは|小ロットで頼むときに知っておきたい前提

OEMは、依頼した側のブランド名で、製造を別の会社に任せる作り方です。食器なら、店名やロゴの入った器を、窯元やメーカーに作ってもらう形がこれにあたります。

食器のOEMで小ロットが難しいと言われる理由は、ほとんどが型にあります。陶磁器の器は、多くの場合、石膏の型に泥状の土を流し込んだり、型の上で土を押し当てたりして形をつくります。この型は1つではなく、器の形そのものである原型、原型から取る型の型のケース型、実際に土を流す使用型という段階を踏んで用意します。使用型は石膏なので、使ううちに水を吸う力が落ちて傷むため、数を揃えて入れ替えながら使います(原型・石こう型・鋳込みという瀬戸の型の技術は 瀬戸ノベルティとは でも紹介しています)。

つまり、新しい形の器を頼むと、器そのものの代金とは別に、型を起こす費用がかかります。この費用を何個の器で割るかで1個あたりの負担が決まるので、作り手は「割に合う数」として最低ロットを置きます。食器のOEMで小ロットを考えるときは、まず型を新しく起こすのか、起こさないのかを決めるところから始めます。

食器のOEMは3つの頼み方で型代・最低ロットが変わる

食器のOEMを小ロットで頼む方法は、型の扱いで大きく3つに分けられます。

比べる項目

① 既製の形にロゴを入れる

② 既存の型を使って色・仕上げを変える

③ 形から型を起こす

型代

かからない(版の費用がかかる場合はある)

原則かからない。作り手の手持ちの型を使う

かかる。原型・ケース型・使用型を新しく作る

最低ロットの決まり方

器の数で決まる。少ない数から受けやすい

色や釉薬ごとに決まりやすい

型代を割るための数で決まり、大きくなりやすい

納期の長さ

短い(形がすでに決まっている)

中くらい(色の試し焼きが入る)

長い(試作と型づくりが入る)

形の自由度

形は選ぶだけ

形は選ぶだけ。色や質感で変化をつける

形から決められる

再注文

同じ仕様で足しやすい

型が残っていれば足しやすい

型の保管と持ち主しだい

向く場面

店のロゴ入りの器を早く揃えたい

手持ちの型の形が気に入り、色で店らしさを出したい

形そのものがブランドの顔になる器を作りたい

CAFORAの場合

温 -ON-・拡 -KAKU- に単色でロゴ転写。本購入30個から、ロゴなしは注文確定後おおよそ4週間、ロゴ入りは仕様確定後おおよそ5〜6週間が目安

2つの形をベースにしたカスタマイズとして相談

完全オリジナル形状のOEMは個別に相談

CAFORAの行は、よくある質問 に書いている条件です。数量や仕様によっては、ここより時間がかかることがあります。

表から分かるのは、小ロットで頼めるかどうかは、作り手の規模よりも「型を起こすかどうか」で決まるということです。30個前後で始めたいなら①、色で個性を出したいなら②、形から作りたいなら③を、数と時間に余裕を持って選ぶ、というのが基本の考え方です。

① 既製の形にロゴを入れる|いちばん小ロットで頼める

型を新しく起こさず、作り手がすでに作っている器にロゴや店名を入れる頼み方です。型代がかからないので、食器のOEMを小ロットで始めるには最も現実的な方法です。

ロゴの入れ方には、転写紙を貼って窯で焼き付ける方法などがあります。CAFORAでは、焼き上がった器にロゴを刷った転写紙を貼り、もう一度窯で焼き付けています。焼き付けたロゴは業務用食洗機や電子レンジでも使えますが、長くきれいに保つため、転写部分は強くこすらないようお願いしています。ロゴの入れ方ごとの違いは カフェの食器にロゴを入れる方法 で、マグカップを業務用の品質で作る条件は オリジナルマグカップの作り方 で扱っています。

この頼み方の注意点は、形は選ぶことしかできないことです。容量や口の広さが店のメニューに合うかを、先に実物で確かめておく必要があります。CAFORAでは、温 -ON- と拡 -KAKU- をサンプル1点から購入できます(サンプルはグレー・240ml・ロゴなし)。まず手に取って、注いで確かめてから本購入へ進む流れです。形の違いを見比べたいときは、温 -ON- と 拡 -KAKU- の商品ページをご覧ください。

② 既存の型を使って色や仕上げを変える

作り手が持っている型の形はそのままに、釉薬の色や質感を変えて自分の店の器にする頼み方です。型代は原則かかりませんが、新しい色を作るなら、釉薬の調合と試し焼きが入ります。

この頼み方で気をつけたいのは、最低ロットが「全部で何個か」ではなく「1色あたり何個か」で決まりやすいことです。量産の現場では、色やサイズが変わるたびに釉薬を用意し、窯に入れる段取りが変わるため、色ごとにロットを置くことがよくあります。3色を少しずつ作りたいと考えていても、実際には3色それぞれに最低ロットがかかる、ということが起こります。

見積もりを取るときは、最低ロットと単価が、総数で決まるのか、色・サイズごとに決まるのかを必ず聞いてください。色数を絞って1色あたりの数を増やした方が、同じ予算でたくさん作れる場合があります。

③ 形から型を起こす|食器のOEMで最も自由で、最も時間がかかる

器の形そのものから自分で決めたいときは、新しく型を起こすことになります。形の自由度は最も高い一方で、費用・ロット・時間のすべてが大きくなります。

時間がかかるのは、型をつくる前に、形を決める試作が何度も入るからです。容量、口当たり、持ちやすさ、重ねやすさ。図面では良さそうに見えても、実際に注いでみると直したい点が出てきます。型ができてから形を直すのは、原型からやり直すことに近いので、試作の段階で決めきることが大切です。CAFORAが3D陶器プリンターで試作を回しているのは、この「作って、注いで、直す」を型を起こす前に済ませるためです。工程ごとの待ち時間は 別注食器の納期はどれくらい? にまとめています。

もう一つ、見落としやすいのがサンプルと量産で作り方が変わることです。試作は少量向きの方法で、量産は数をこなせる方法で作ると、形や厚み、重さが少し変わることがあります。とくに重い取っ手や長い直線がある形は、成形の方法によって歪みやすさが違います。どの方法で量産するのかは、試作の前に作り手と話しておくと安心です。作り手の種類ごとの得意不得意は 陶器をオーダーするには で比べています。

食器のOEMを小ロットで頼む前に確かめる8項目

頼み方を決めたら、見積もりを取る前に次の項目を確かめておくと、あとから話が食い違いにくくなります。

確かめること

なぜ大事か

型を新しく起こすか、既存の形を使うか

型代と最低ロットが、ここでほぼ決まる

最低ロットは総数か、色・サイズごとか

色を増やすと、思ったより数がふくらむ

型代に含まれる範囲(原型・ケース型・使用型)

使用型は消耗品で、数や作り直しの扱いが分かれる

型の持ち主と保管場所

作り手を変えるとき、型を持ち出せるかが変わる

サンプルと量産で作り方が同じか

形・厚み・重さの差を、先に知っておける

不良が出たときの扱い

注文した数がそのまま届くのかを確かめる

納期の起点(注文確定か、仕様確定か)

「4週間」がいつから数えるのかで、開業日の逆算が変わる

同じ仕様で再注文できるか、何個から足せるか

割れた分を、同じ器で補えるかが決まる

店の器は、割れたり欠けたりして少しずつ減っていきます。食器のOEMでは、初回の数だけでなく、あとから同じ器を足せるかまで決めておくと、長く使い続けられます。初回の数の決め方は 小ロットでオリジナル食器を作る方法 も参考にしてください。

拡 -KAKU- 見惚れて、味わう。広く開いた口に描かれるラテアート。商品をみる

よくある質問

Q. 食器のOEMは何個から頼めますか 頼み方によって大きく変わります。既製の形にロゴを入れる方法なら、型代がかからないぶん少ない数から受ける作り手が多く、CAFORAの本購入は30個からです。形から型を起こす場合は、型代を割るための数が要るため、最低ロットは大きくなりやすくなります。

Q. 型代は誰が持つのですか 新しく型を起こす場合は、依頼する側が負担するのが一般的です。そのうえで、型の持ち主がどちらになるのか、作り手が保管してくれるのか、注文が途切れたときにどうなるのかは、作り手ごとに違います。見積もりの段階で確かめておきましょう。

Q. 色だけ変えるのも小ロットでできますか 手持ちの型の形で色を変える方法なら、型代は原則かかりません。ただし、最低ロットが色ごとに立つことが多いので、何色作るかで総数が変わります。

Q. 一度作った器を追加で注文できますか CAFORAでは、過去の注文と同じ形・カラー・ロゴ転写で再注文できます。焼きものなので、色味や質感にわずかな個体差が出る場合があります。

まとめ

食器のOEMを小ロットで頼めるかどうかは、型を新しく起こすかどうかでほぼ決まります。既製の形にロゴを入れる方法は最も少ない数から始めやすく、既存の型で色を変える方法は色ごとのロットに注意が要り、形から型を起こす方法は自由な代わりに費用と時間がかかります。見積もりの前に、型の持ち主と再注文の条件まで確かめておくのが、長く使える器への近道です。形から器を考える進め方は オリジナル食器を作る前に知っておきたいこと にまとめています。

店のロゴ入りの器を小ロットで揃えたいなら、CAFORAの丸く深い 温 -ON- と、口の広い 拡 -KAKU- は、本購入30個から店のロゴを転写して注文できます(サンプルは1点から・ロゴなし)。形からのOEMの相談は よくある質問・お問い合わせ からどうぞ。

CAFORA